「完璧な3分間ポップス」として話題を集め、先日OTOTOYニュースで紹介( http://ototoy.jp/news/73453 )した際も大きな反響を呼んだ吉澤嘉代子が、平成生まれのアーティストばかりを集めたライヴ・サーキット・イベント〈平成デモクラシー〉に出演した。
レトロなSEとともに現れた吉澤嘉代子は、早速、デビュー作『魔女図鑑』(6月5日発売)からリード曲「未成年の主張」を披露。女子の告白という王道テーマをオールディーズ風のサウンドで包んだ同曲により、早くもフロアは彼女に魅せられていく。曲の最後、「あなたが好きです!!」と叫んだ彼女に対して、観客からは歓声が上がっていた。
続いて披露された「化粧落とし」は、想いを寄せる相手に対する狂気に満ちた愛を歌った楽曲。時に妖しげな笑みを浮かべて歌う彼女からは、まさに魔女が憑依しているかのような印象を受けた。だが、妖艶な雰囲気の合間から、ふと素朴で恥じらいがちな一面が覗く瞬間がある。ここに彼女の大きな魅力があるのかもしれない。
「この時間にミルキーウェイ(※今回彼女が演奏したライヴ・ハウス)を選んでくれてありがとうございます。当たりです」というMCを挟んだのち、同じく新作アルバムから「恥ずかしい」、そして「ぶらんこ乗り」が演奏される。特に、ピアノだけをバックに歌った「ぶらんこ乗り」は、曲調こそ静かであるものの、抑えつけていた哀しみがじわじわと溢れ出してくるような名演だった。
続いて、「すべての泣き虫に捧げます」という言葉ともに、吉澤は「泣き虫ジュゴン」を演奏。アルバムのなかでも現代的なアレンジが施されたこの曲には、彼女のナイーブな一面が最も素直に現れているように感じられる。観客たちは彼女をじっと見つめて耳を傾けていた。
最後は、無性に懐かしい響きを持つ極上のポップス「らりるれりん」を演奏してステージを降りた吉澤嘉代子。30分ほどの短いライヴながら、新作に収録される全6曲をすべて演奏する充実の公演となった。終演後のフロアからは、「演奏中の吉澤さんと目が合って泣いちゃった」という声も聞こえてきた。妖しくも可愛い魔女の魔法にかけられる人たちが、これからも続出しそうだ。
なお、吉澤嘉代子のデビュー作『魔女図鑑』はOTOTOYでも配信予定。これからも彼女を追い続けていくつもりだ。
【セットリスト】
1. 未成年の主張
2. 化粧落とし
3. 恥ずかしい
4. ぶらんこ乗り
5. 泣き虫ジュゴン
6. らりるれりん