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2・3'sがキセキの再結成ライヴで名曲連発! 清志郎に捧げるベスト・ライヴ――たまらん最速レポ

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忌野清志郎62回目の誕生日を迎えた4月2日、東京・下北沢のライヴ・スペース440で、無国籍料理「月」(2012年3月末閉店)から生まれたイベント、〈キセキのキヨシロー#4〉がおこなわれた。

今回の目玉はなんといっても2・3'sの再結成。約20年振りのライヴとなるだけに、どんな2・3's ナンバーが披露されるのか期待が高まる中、ライヴは4人組バンドthe IGNORANTS with TOIの演奏からスタート。オリジナルの他「エネルギーohエネルギー」「すべてはALL RIGHT」と、黄金のRCナンバーで盛り上げる。魂のこもったスライドギターがグッときた。

続いて、大島賢治と山川のりおの“にぶんのいちニーサンズ”が、2人だけで登場、「イェ~!」に「イェ~!」と応える観客に、「こちらこそイェ~!」と応えるのりお(笑)。オープニングは1stアルバム『GOGO2・3's』から、この日にピッタリの曲「ハッピーバースデー」からスタート。アルバムでも山川のりおが作詞・作曲・ボーカルの曲だ。「ハッピーバースデー清志郎さん!」と歌うのりおに合わせて観客もコール&レスポンス。間奏では「耳を澄ませて! ハーモニカソロ!」と清志郎パートをあけて演奏。いきなりグっとくるイキな演出だ。

続けてファーストからの「素敵なエンドーさん」では大島がボーカルをとる。「そろそろ4分の3になりたいと思います!」とアッキーこと中曽根章友が登場。大声援! そしてゲストとしてワタナベイビーもステージへ。「いつもお客さんとして見てた2・3'sのライヴに出られて嬉しいです!」とのMCから、曲は『GOGO2・3's』の1曲目、出ましたっ! 「Let's GO(IKOHZE)」! 一気にボルテージが上がる!のりおのギター・ソロも完璧に再現されている。たまらん!

曲が終わると、「20年ぶりに帰ってきました! 2・3'sです!」とベイビーのMCに大喝采。曲は続けて、「インディアン・サマー」。ベイビーとのりおが交互にボーカルを取る。2人とも歌い方が自然に清志郎っぽくなっているようだ。続いて2ndアルバムのオープニング・ナンバーから曲は「FUCK YOU」。2・3'sを認めなかった周囲への痛烈なdisの曲だ。そして「いくじなし(Bye-Bye)」へ。こちらも当時の清志郎の心情が窺い知れる決別の歌だ。ボーカルはのりお。2・3'sの曲、今聴いても名曲だらけじゃないか!? 「バーイバーイ!」というサビの歌詞に手を振る観客。当時は叩いていたファンも今ここで盛り上がっているに違いない。のりおがMCで「アッキーの衣装は当時の服ですから!」と紹介すると、ベイビーがすかさず「のりおさんは昔からその衣装でした?」とのりおの“カルピス・プレスリー”姿をいじる。

ここで2・3'sの曲ではなく、ワタナベイビーのソロ曲、清志郎の共作で知られる「坂道」を披露。実に清志郎らしいムードが漂う、ワタナベイビーの清志郎フリークっぷりが生んだ名曲だ。「のりおさんからお誘いを受けて、大島さんもライヴに出るっていうし、スタジオに行ったらアッキーさんもいて、2・3'sじゃないですか! って」とこの日のライヴに出演した経緯を話すベイビー。「清志郎は年齢の上下を嫌う人だったんで、1番年下のアッキーさんがバンマスだったんです」とエピソードを披露。

和やかにライヴは進む。曲は「あの娘が結婚してしまう パート2」訥々としたメロディが胸に迫る切ない曲。人気曲だけに観客も肩を揺らしてじっくり聴いている。エンディングで、「僕の好きな先生」、「けむり」、「三番目に大事なもの」の歌詞を織り込んで歌うベイビー。「2・3'sの曲じゃないですが、ライヴで良くやってた曲」と、RCサクセションの「空がまた暗くなる」が飛び出す。いきなり歌詞をトチって歌いながら謝るベイビーにも盛り上がる観客。ハッピーな空間だ。「今日だけでも新たに4曲覚えたんで、ワタナベイビー&2・3'sのワンマンすぐに出来ます!バンマスのアッキー次第です!」というベイビーのMCにアッキー・コールが起こる(笑)。

そしてこれまた名曲、2ndから「この愛がかわいそう」。どうして清志郎はこんなセンチメンタルな曲が書けるのだろう? こういう曲は誰にも書けないんじゃないだろうか。清志郎を知らない人は是非この曲を聴いてみて欲しい。きっとイメージが変わるはず。「僕ベイビー、僕のりピー、僕大島ちゃん、僕アッキー、僕達四人で2・3'sですっ!」とメンバー自己紹介をしてから(笑)曲は「現場処理の男」 へ。間奏の寸劇風セリフ(「あ、か、辛かったですか?」等)も完全再現しながら、ワタナベイビーに長男が誕生したこともこの間奏を借りて報告! 曲が終わり、続くイントロで一気に盛り上がる! 「プライベート」だ。ニーサンズが終わったあとも清志郎のライヴで聴くことが出来た曲。大いに盛り上がった後、最後は2・3'sの代表曲、「お弁当」。清志郎の楽曲でも人気の高い、これ以上ない位優しさに満ちたラブソング。〈君の過去を僕が全部 / 残さずに食べてあげる / お弁当に僕を全部 / 朝早く詰めてあげる〉 この曲は清志郎と山川のりおの共作だ。

アンコールはアッキーを除く全員で、このイベントの為の曲、2010年に急逝された「無国籍料理 月」のマスター野口徹氏が作った「キセキのキヨシロー」をのりおボーカルで。清志郎への愛情たっぷりの歌詞が素晴らしい楽曲だ。カップリングの「ミタクエオヤシン」も続けて歌われた。ライヴは、清志郎のバースデーを祝うように「雨あがりの夜空に」の大合唱でいったん終了(後半はアッキーがボーカル!)。

鳴りやまぬアンコールの声に、予定外に再びステージに姿を見せたのはワタナベイビーと山川のりおの2人。「ちゃんとレコーディングしたのに出させてもらえなかった曲」として「トリプルタブー」という未発表曲を披露。確かにタブーな歌詞だった。そこにアッキーと大島が加わり、最後は『GOGO2・3's』のラスト・ナンバー、「ぶっちゃけた恋」で思いっきり弾けてライヴは終了。終わってみれば、なんで今までやらなかったのか、不思議に思えるようなビシッと締まった息の合った演奏とパフォーマンス。そして何よりも、清志郎が2・3's時代に残した楽曲の素晴らしさを再確認できたことは本当に嬉しかった。MCで冗談めかして言っていたが、ワタナベイビー&2・3'sとして是非ワンマン・ライヴを実現させてほしい。 今日聴けなかった、アッキーの「芸術家」を是非聴かせて欲しいのだ。
(岡本貴之)

〈キセキのキヨシロー#4 ~WE'VE GOTTA DREAM TO REMEMBER 'TSUKI'~〉
2013年4月2日(火)下北沢440
出演 : 山川のりを、大島賢治、中曽根章友、ワタナベイビー、the IGNORANTS with TONY

〈2・3'sセットリスト〉

1. ハッピーバースデー
2. 素敵なエンドーさん
3. Let's GO(IKOHZE)
4. インディアン・サマー
5. FUCK YOU
6. いくじなし(Bye-Bye)
7. 坂道
8. あの娘が結婚してしまう パート2
9. 空がまた暗くなる
10. この愛がかわいそう
11. 現場処理の男
12. プライベート
13. お弁当
アンコール1
14. キセキのキヨシロー
15. ミタクエオヤシン
16. 雨あがりの夜空に
アンコール2
17. トリプルタブー(未発表曲)
18. ぶっちゃけた恋


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