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静カニ潜ム日々、レコ発記念ライヴで素顔の下に隠された激情を放出――OTOTOY最速レポ

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※ライヴ画像は後日掲載予定

2007年の結成以来、メンバー・チェンジを繰り返しながら活動してきた川元 裕一朗(voice.Guitar.Synthesizer)佐藤 智明(Bass.voice.Synthesizer)渡辺宏生(Drum)から成る3人組ロック・バンド、静カニ潜ム日々。2012年3月には日本復興コンピレーション・アルバム『Play for Japan 2012』に参加するなど徐々に注目を集めてきた彼らが4月3日にリリースされた1st Full Album『The Present』の発売を記念して4月18日(木)、新代田FEVERにてライヴをおこなった。共演にはほぼキャリアを同じくするバンド、長野での活動等、独自のペースで活動するmynameis…、NANO-MUGEN CIRCUIT 2013への出演及びコンピレーション・アルバムへの参加が決定したDr.DOWNERの2組。

"(I don't hope)euphony vol.3"というサブ・タイトルが示しているように、「美しい音の調べ」等望んでいないというバンドが集まった今夜。この日を待って“静かに潜んで”いたファンが集まり、開演前から新代田FEVERは熱気に包まれていた。まずはDr.DOWNER。ジョニー・ウィンターを思わせるブギーで観客を煽る。70年代ギターヒーローのような、最近のバンドにしては「弾く」ギタリストが客席にも雪崩れ込んで大いに盛り上げた。続くmynameis…。私小説的な言葉を重いボトムとソリッドなギターに乗せて歌うボーカルを、しっかりと支えるバンドの一体感が突出していた。

そして今夜の主役、静カニ潜ム日々がステージに。ファン層は20代中盤の男性中心といった感じだ。オープニング曲は「what should I say」ゆったりとしたテンポでリズム隊が力強く盛り上げる。続けて3連譜のギター・ストロークから激しく展開する「break the wall」スリー・ピース・バンドながら音に隙がない。歌詞は全て英詞。今や日本のロックバンドであっても英語で歌うことには何も違和感は感じない時代だ。所謂オルタナティブ・ロックの洗礼を受けているアーティストであることを素直に表現したかのような激しくも陰鬱なサウンドに観客はじっとその場に立ち尽くして聴き入っている。

「本日は起こし頂いてありがとう! 尊敬するバンドとレコ発が出来て、こんなにお客さんが沢山来てくれて、本当に嬉しいです!」というMCにフロアから野太い男性ファンの声援が飛ぶ(笑)。曲は「akasic record」。淡々としたギターのアルペジオとストロークにボーカルの透明感のある声が乗る。いくら叫んでも、決して割れることの無い太い声。それでいて澄んでいるのが川元のボーカルだ。疾走感溢れるjust follow meから、MC。「喋った方が良いんですかね(笑)?」という川元に、「緊張しとるやろ~!?」と客席から声が飛ぶ。「緊張しとるわ~!」と返し会場の緊張感が一気にほぐれる(笑)。

ライヴは後半、「isotope」でゆったりとチルアウト。このバンドの真骨頂はこういったアコースティック風な澄んだメロディをオルタナティヴなバンド・サウンドで聴かせるところにあるのではないだろうか。そして、どこか憂いを帯びた川元の声に導かれ、強固なリズム隊とともに、天に登って行くように激しく変わるギター。カタルシスを感じる良い曲だ。ファンも自然とサウンドに身を委ねて揺れている。

本編が終わり、アンコールの声に、すぐさま現れた川元に、「早えぇよ!」と笑い声が起こる(笑)。ラストは、アルバムの冒頭を飾る「step forward」でフロアが一気に盛り上がる。

深遠で澄んだメロディを淡々と奏でたかと思えば、次の瞬間には激しくエネルギーを放出する。まさにバンド名を体現していたかのような演奏だ。曲の短さもある為か、今夜はあっという間に終わってしまった。彼らのネクスト・ステップに期待したくなる、もっともっと聴いていたいと思わせるライヴだった。
(岡本貴之)

〈静カニ潜ム日々 1st Album 『The Present』 リリースパーティー
"(I don't hope)euphony vol.3"〉
4月18日(木)新代田FEVER
出演: 静カニ潜ム日々 / mynameis… / Dr.DOWNER

静カニ潜ム日々
セット・リスト
1. what should I say
2. break the wall
3. old dialogue
4. carry on
-MC-
5. akasic record
6. just follow me
7. isotope
8. idea
---------------------
En1 .slow sign
En2 .step forward


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