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大森靖子、地元・松山での初凱旋ライヴでツアー幕開け——OTOTOYライヴ・レポート

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大森靖子がメジャーデビュー後、初の全国ツアー〈❤爆裂!ナナちゃんとイくラブラブ洗脳ツアー❤〉を3月8日、愛媛・松山キティホール公演からスタートさせた。この日は弾き語りでの演奏となったが、ツアーではバンド編成で演奏される会場もある。デザイナーさくらいかおりによる衣装も毎回違うものが用意されているとのこと。初日はいったい、どんな表情を彼女は観せてくれるのだろうか。

メジャー1stアルバム『洗脳』発売記念ツアーの初日となるこの公演は、大森の地元・松山での初凱旋ライヴということもあり、当日を待たずにチケットは完売。東京からもファンが駆けつけ、立見客も出る盛況ぶりとなった。会場は立見も含めてキャパ150人にも満たないくらいの小ホールだが、ここが満員となったことは彼女にとって大きな意味があるように思う。

開演時間をすぎると、まだ観客の顔が見えるくらいに明るめの照明のなかで、大森はたくさんのナナちゃん(大森愛用のクマのぬいぐるみ)が刺繍された水色のドレスに身を包んで登場した。ステージに置かれたイスには、ナナちゃんのほかに「しいちゃん」というぬいぐるみも座っている。そのイスの前で、大森はゆるやかにギターを鳴らすと、「KITTY'S BLUES」から演奏はスタート。会場の空気を確かめるように、客席を見渡しながらゆっくりと歌った。ギターを激しくストロークすると、美大時代を歌った「展覧会の絵」へ。彼女は大学に行くことを理由に、ここ松山を離れて上京したのだ。

この日、最初のMCで「初凱旋です。ただいま、大森靖子です」と少し照れ臭そうに笑うと、客席は拍手で応えた。『洗脳』収録の「子供じゃないもん17」をかわいらしく歌うと、2月末に行った月例企画〈大森靖子の続・実験室〉で初披露された新曲「朝+」を穏やかな声で歌った。「ワンダフルワールドエンド」ではステージ前方に出てマイクを外して歌う場面も観られた。沢田研二「勝手にしやがれ」の一節を挟みつつ、「ノスタルジックJ-POP」をピンク色の照明のなかで披露。ノン・ストップで次々と演奏される曲に、客席は真剣な表情で聴き入っていた。

「大丈夫ですか? はじめてきた人とか、意外にキスとかしないじゃん、超ストイックじゃんて感じじゃないですか?」と和やかな笑顔で問いかけると、この公演が音楽活動をはじめてから8年で初の凱旋ライヴであることを改めて報告。高校時代に同級生から訊いたエピソードをもとに作った、彼女にとって初のオリジナル曲という「鮪漁船のうた」を披露した。「絶対彼女」では、「女子」「おっさん」と客席に呼びかけ「絶対女の子がいいな」と歌わせる。照れがあるのか遠慮がちなおっさんの声に「おっさんの自覚がない(笑)」と演奏を中断するシーンもあった。『洗脳』のなかで唯一の弾き語り曲「デートはやめよう」、続く「あたし天使の堪忍袋」でも客席と一緒に合唱。満足そうに「ありがとう」と告げると、前半はここで終了した。

休憩タイムでは、スタッフの二宮ユーキによる物販紹介。その間に、大森が高校の同級生にもらったという差し入れの地元の名産のお菓子を自ら客席に配るという、うれしいサプライズもあった。

後半は「ミッドナイト清純異性交遊」からスタート。同曲では、今回のツアーで登場した新物販、ナナちゃんをモチーフにした「処女膜再生ステッキ」が一斉に客席で光った。こちらのステッキ、大森から「全然欲しくならない」とツッコミが入った先ほどの物販紹介のなかで、二宮が唯一熱を込めて紹介していたものだ。

「呪いは水色」では、「ベンチの二人がひらく青春」という歌詞にあわせてステージのイスに腰掛けると、途中からギター演奏を止めてアカペラで歌いながら、ナナちゃんとしいちゃんを使った人形劇のようなパフォーマンス。再びギターを抱えて「魔法が使えないなら」を激しく歌唱すると、「夏果て」ではギターのシールドを抜いて客席へ。お客さんひとりひとりの顔をじっと見つめながら生音、生声での演奏を聴かせた。客席最後列まで行くと、客席からリクエストを募って「お茶碗」「最終公演」を歌う。再びステージに戻り、大森靖子&THEピンクトカレフ名義のアルバム『トカレフ』から「料理長の音楽は豚肉の焼ける音だった」「少女3号」を弾き語りヴァージョンで続けて披露。「秘めごと」で「夢も憂鬱も東京も 私が全部みせてあげるよ」と優しく歌うと、本編は終了した。

アンコールに応えて大森がステージに戻ると、客席は一斉にピンクのサイリウムを光らせる。最前列のお客さんがサイリウムで作った「セイコオカエリ」の文字に、大森は「すごい」とうれしそうに笑った。精一杯の感情を込めて「PINK」を歌うと、ラストの「キラキラ」では一転して柔和な表情を見せた。演奏が終わると「ツアー初日、ありがとうございました」と感謝を告げて一礼。場内に暖かい拍手が響くなか、大森は手を振りながらステージを後にした。

初の地元凱旋公演からスタートした全国ツアーは、弾き語りでじっくりと聴かせる穏やかな幕開けとなった。はじめてやる土地とは思えないくらいに、温もりがあふれたライヴとなったのは、ここが彼女の地元ということもあるのだろうか。大森はこのライヴの翌日、帰京前にファンとともに松山城へと観光にいった。そこに参加していた地元の女の子が、大森と直接話せること、ライヴが観られることに感極まっている様子がとても印象的だった。彼女に与えたような感動を、きっとこれから全国各地の多くの人に、大森は味わわせてくれるのだと思う。大森靖子の音楽が持つ大きな力、そして彼女自身が持つ包容力や深い愛情を、改めて感じさせてくれるツアー初日だった。(前田将博)

写真提供 : 二宮ユーキ

大森靖子 全国ツアー〈❤爆裂!ナナちゃんとイくラブラブ洗脳ツアー❤〉
2015年3月8日(日)~ノスタルジック 松山キティホール~

<セットリスト>
前半
1.KITTY'S BLUES
2.展覧会の絵
3.サマーフェア
4.ファンレター
5.子供じゃないもん17
6.朝+
7.エンドレスダンス
8.ワンダフルワールドエンド
なにかの曲の一節?
9.ノスタルジックJ-POP
10.鮪漁船のうた
11.さようなら
12.絶対彼女
13.デートはやめよう
14.あたし天使の堪忍袋

後半
15.ミッドナイト清純異性交遊
16.Over The Party
17.呪いは水色
18.新宿
19.魔法が使えないなら
20.夏果て
21.お茶碗
22.最終公演
23.君と映画
24.料理長の音楽は豚肉の焼ける音だった
25.少女3号
26.秘めごと

アンコール
27.PINK
28.キラキラ

・大森靖子、メジャー・ファースト・アルバム『洗脳』をハイレゾ配信&インタヴュー掲載!!!
http://ototoy.jp/feature/2015020702

・大森靖子、メジャー・ファースト・アルバム『洗脳』5000字レビュー
http://ototoy.jp/feature/20141203

・大森靖子 オフィシャルサイト
http://oomoriseiko.info

・大森靖子 全国ツアー〈❤爆裂! ナナちゃんとイくラブラブ洗脳ツアー❤〉
2015年3月8日(日) ~ノスタルジック 松山 キティホール~
2015年3月14日(土) ~ノスタルジック 広島 ヲルガン座~ (2回公演)
2015年3月15日(日) ~ノスタルジック 岡山 café moyau~
2015年3月27日(金) ~ノスタルジック 名古屋 QUATTRO~ (バンド編成)
2015年3月29日(日) ~ノスタルジック 鳥取 三朝 ニューラッキー~ (2回公演)
2015年4月3日(金) ~ノスタルジック 札幌 コロニー~
2015年4月4日(土) ~ノスタルジック 仙台 enn 2nd~
2015年4月5日(日) ~ノスタルジック 秋田 ゴマシオキッチン~ (2回公演)
2015年4月10日(金) ~ノスタルジック 鹿児島 大津倉庫 プティ・パレ~
2015年4月11日(土) ~ノスタルジック 福岡 ROOMS~
2015年4月12日(日) ~ノスタルジック 大分 別府 永久劇場~
2015年4月16日(木) ~ノスタルジック 大阪 梅田 AKASO~ (バンド編成)
2015年4月17日(金) ~ノスタルジック 広島クラブクアトロ~ (バンド編成)
ツアー・ファイナル
2015年4月26日(日) ~ノスタルジック 中野サンプラザ~ (バンド編成)
追加公演〈沖縄 大森靖子全国ツアー 洗脳特別公演❤せんせい、もう子供じゃないもん〉
2015年4月29日(水) ~ノスタルジック沖縄Output~



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